レイプレイ事件について
2009年5月10日
水も滴る美しい処女。その色気を嗅いだ甥は欲情の炎に燃やされ、今にも気が狂いそうであった。
そこでその甥は邪な自分の欲望を成就させるべく策略を練った。仮病を使い、美しい姪を呼び出し、自分のために料理を作らせてこう言ったのだった。
「料理をこちらの部屋に持って来てくれ。お前の手から食べたいのだ。」
美しい処女であり姪であるタマルは、甥アムノンのいる部屋に入り、手ずから食べさせようと近づくと、アムノンは突如タマルに襲いかかった。
タマルは言った。「いけません、兄上。わたしを辱めないでください。愚かなことをなさらないでください。」
しかしアムノンは彼女の言うことを聞こうとせず、力ずくでタマルを辱めた。こうして彼女は強姦によって、処女を失った。
アムノンは事が終わると、一転激しい憎しみを彼女に覚えた。アムノンは彼女に向かって「立て。出て行け。」と言った。
そして、嫌がるタマルを顧みず、従者を呼び、「この女をここから追い出せ。追い出したら戸に錠をおろせ」と命じた。
タマルは未婚の王女のしきたりによって飾り付きの上着を着ていたが、アムノンに仕える従者が彼女を追い出し、背後で戸に錠をおろすと、タマルは灰を頭にかぶり、まとっていた上着を引き裂き、手を頭に当てて嘆きの叫びをあげながら歩いて行った。
これは、キリスト者なら知ってる人も多いであろう、イエス以前の救世主ダビデの家族をめぐるストーリーです。旧約聖書のサムエル記下13章に細かく記載されています。
皆さんはこれを読んで、女性に対する恐るべき性的暴行、女性の隷属と屈服を強制する非道であり、読者に女性の恒常的な劣位を潜在意識に植えつける危険な描写だと思いますか?
「レイプレイ」よりも悪質なのは、これが近親相姦だという事実もあるからです。
また、もし思うとしたら、世界のキリスト教圏に対して、キリスト教会に対して、この部分の描写を削除するように要請すべきでしょうか。
「アムノンの強姦と女性の劣位とは別問題だ」という分別のある方には、次の文章も紹介しましょう。
婦人たちには語ることが許されていません。律法も言っているように、婦人たちは従う者でありなさい。何か知りたいことがあったら、家で自分の夫に聞きなさい。婦人にとって教会の中で発言するのは、恥ずべきことです。
(コリントの信徒への手紙一 14章34節・35節)
「レイプレイ」が恒常的な女性の差別・劣位をもたらすものであるかどうかは議論すべきところでしょうが、この記述は完全なクロでしょう。真っ黒です。
今なおカトリックやプロテスタントの多くが女性の司祭職就任を禁じているのは、パウロが当時のコリント教会に送ったこの激烈な一言が大きな原因となっています。
聖書は天地創造の頃から存在したのではなく、人間が作り出したものです。だから、その編集権や加除の権限も人間にあります。よく知られているように、マルティン・ルターは伝統的な聖書からいくつかの部分を省きました。共同訳以前、もしくは以外で、カトリックとプロテスタントのコンテンツが若干違うのはそのためです。
だから、この女性の決定的な差別、恒常的な従属をもたらした最悪の元凶のこの文言、もしくはコリント書一全体を聖書から除去することは可能です。
しかし、英国議会や、女性の権利保持を掲げる圧力団体が、この世界に蔓延した女性蔑視の出版物にクレームをつけず、横浜市の小さなゲーム会社に執拗な妨害を繰り返すのは何故なのか?
答えは簡単です。横浜市の小さなゲーム会社、イリュージョン社の方が、ローマ・ヴァチカンに比べて遥かに弱いからです。
我々は忘れてはならないのは、自由の敵、自由の迫害者は常に弱者、攻撃を加えても反撃される恐れの少ない無力な者を最初に狙うということです。
そしてもう一つ、彼らは常に、自分の手段のために、巨大な力、大きな権力におもねるということです。
これは自由の迫害者、弾圧者に共通した性質です。
残念なことに、その圧力に耐え切れず、イリュージョン社は自らのページからレイプレイの記載を削除してしまいました。そして、アマゾンのみならず、げっちゅ、DMMといった主要の通販会社もページ自体を削除してしまいました。もはやP2Pといった違法な手段を除いて、レイプレイを入手することはできません。
そして、P2Pには年齢制限がないので、今回の弾圧は、年齢チェックのバリアーが課される店頭通販購入から、児童をP2Pへ誘導したという悪しき影響も残しました。禁酒法の経験から何も学んでいない悪しき圧力団体は、思春期、青年期の男性が当然持つ楽しいゲーム、そして性的な憧れに対する強い欲求を認めないあまりに、彼らをイリーガルな方向へ誘導してしまっているのです。
エサを取り上げられたネコは、餓死するまでおとなしく飼い主に従うでしょうか? 戸棚に飛び掛ってでもエサを求めないでしょうか?
「それならば、最初からエサのおいしさを味合わせなければ問題ないのだ」というのが英国議会、そして英米の圧力団体の意見なのであれば、最初から彼らの目的はネコの餓死にしかないのです。
すなわち、思春期、もしくは青年期の男性を去勢し、もしくは陰茎を切除さえできれば完璧だけれども、それができないからあえてエサを遠ざけるという手段を採っているのです。
そしてそのエサは、日本の3D技術の結晶でもあります。
何故英米の議会と団体に、日本の技術、そして商業活動が阻害されなければならないのか。
RedLightCenter(http://www.redlightcenter.com/)の3Dポルノ、3DSM、3DレイプごっこはOKで、何故日本がそれを作ると干渉されるのでしょうか?
以下、論点として三つを挙げながら、今回の遠い海外からの表現の自由に対する深刻な弾圧について、反対のアピールをしたいと思います。
一つ目は、レイプ表現が女性の差別と劣位を恒常化させるという極論について
二つ目は、海外の政治及び団体が日本の技術力によって作られたソフトの販売を差し止める危険性について、
三つ目は、今回の弾圧がもたらす将来への恒常的な表現の自由に対する萎縮について
レイプ表現が女性の差別と劣位を恒常化させるという極論について
冒頭で掲げたように、歴史的にもあらゆる文章作品に強姦という人類の犯罪は記載されています。冒頭の聖書の記述は、全イスラエル人にとって最大の英雄であり救世主であったダビデの子によってなされた罪の行為です。
ここから、どんな人間でも罪を犯してしまうという聖書のメッセージが読み取れます。聖書をよく読んでいる人ならば、ダビデですら人の妻を不当に奪うという罪を犯していることを知っているはずです。
男は生まれながらにして女を必要とする性です。女も同様に男を必要としていますが、男の場合は性欲という種の保存のための本能的欲求が先鋭的で強烈なので、異性を追い求める焦燥感は男のほうが強いはずです。また、定期的な射精が必要であるという生理的な原因もあります。
しかし女は男と違い生理循環があり、体力も一般的に男性より劣るので、常に男性の要求に応えられるとは限りません。また、一夫一妻制の社会においては、そもそも夫や婚約者、恋人以外の要求には応えられません。そのギャップがレイプの根源的な理由です。
レイプの本質は、おそらく多くの人が同意するでしょうが、実に生理的なものです。そこには女性に対する差別的な蔑視や社会的劣位に置きたいという衝動の発露はなく、射精をしなければならないという至極本能的なものです。
レイプをする人のマインドがそうでなくとも、レイプというものを商品化すること自体女性に対する恒常的な劣位と差別を補強するものだという意見についても賛同できません。これは個々人の感受性によるものだからです。
ミスコンなども女性の商品化として反対する人がいます。私はその種の意見に同感しませんが、そういう意見を言うこと自体は自由だと思っています。しかし、ミスコン反対者がミスコンを中止することができないので、弾圧が容易なゲーム業界に抑圧の矛先を向けてくることは反対です。
「レイプゲームは女性の恒常的な劣位と従属を補強する」というのは、所詮一つの意見にすぎず、因果関係は何もありません。
レイプゲームの最後に「女性の参政権と管理職就任に反対します」とあれば別ですが、「ゲーム内の行為をすると犯罪になります」という注意書きはあっても、女性の社会的立場に対する言及は一切なく、そこにあるのはただただ女性の「性」「セックス」に対する強烈な欲求です。
あたりまえですが、攻略対象は女性だけです。男はただただ女性の裸とセックスが見たいだけなのです。
女性の裸やセックスが見られるならばお金を出しても惜しくない。そこまで強く強烈に、まるで半神のように崇めているのに、どうしてそれが差別だとか社会的劣位と結びつくのでしょうか。
出てくる女性が裸になったりしているのにプレイヤーは見向きもせず、つばを吐きかけたりするのであれば、女性蔑視だとも言えるのかもしれませんが、最初から最後まで女性の攻略をテーマとしたゲームです。それのどこに女性に対する軽視があるのでしょうか。
「そもそもレイプを見たくない。子供にも見せたくない」という人には我慢していただくしかない。それが表現の自由です。
我々はテレビをつければ9.11の悲劇、アブグレイブやグァンタナモにおける拷問・虐待、ナチスのユダヤ人虐殺や多くの殺人・悲劇を見ることができます。しばしばそれは目にしたくない事実です。
しかし、ナチスの犯罪と犠牲を目の当たりにしなければ、同じことがまた起こるでしょう。他の殺人や虐殺についてもしかりです。日本の戦争行為についても同様です。
「世の中にレイプという犯罪が一件もないのに、わざわざゲームで表現している」というのであればまだしも、太古からあるこの悲劇について、日本のメーカーはゲームや小説内で一切扱うなというのは、表現の弾圧を通り越して攻撃です。
海外の政治及び団体が日本の技術力によって作られたソフトの販売を差し止める危険性について
イリュージョン社の製品をプレイしたことのある人は、そのクオリティの高さに感嘆すると思います。日本のゲーム作成技術は依然世界でトップレベルで、スクウェアエニックスの「ファイナルファンタジー」シリーズを例に出すまでもなく、世界中のプレイヤーに愛されるに値する高い技術力が日本のメーカーにはあります。
イリュージョンはその製品こそ18歳以上限定のアダルト作品ですが、その3D技術は、全年齢向け一般のゲームメーカーと比べても、圧倒的なものがあります。
また、3Dモデルを自由に調節したり、可変したりする拡張性をもゲームに搭載させるのは、スクウェアエニックス等の世界的企業にも余りない試みであり、その意味では世界最先端の技術を持っていると言えます。
しかし、英国の議会がイリュージョン社の営業活動の妨害に動き出しています。もし、日本の政府や警察が、イリュージョン社に対して営業の自粛等を求めれば、それには応える必要があります。
それは法律上の義務だからというだけでなく、そもそも日本の国内の有権者が民主的に選んだ政府と議会によって、営業の自粛や販売停止が必要だと判断されれば、日本(法)人として従うべきだからです。それが民主主義のルールです。
しかし、日本の有権者が一切影響を与えることのできない外国の議会によるプレッシャーで日本国内の企業の営業が阻止されることが恒常化したらどうなるか? これは日本の企業の国際競争力の問題を超越し、日本国の独立・統治の観点からも深刻な問題だと言えます。
現実的に、イリュージョン社は今後製品をプロデュースする上で深刻な障害を抱えるようになりました。アマゾン社は今後イリュージョン製品を警戒するでしょうし、DMMといった他社も同様です。
またRedLightCenterが、レイプ的な「プレイ・ごっこ」のツールをプロデュースするのは自由かもしれませんが、イリュージョン社は今後そういった製品は販売できないでしょう。
国際的な自由経済の理念からも、明らかにおかしくありませんか?
今回の弾圧がもたらす将来への恒常的な表現の自由に対する萎縮について
ご存知のとおり、げっべ堂はゲームのほぼ全てがレイプをテーマにしたものです。だから今回緊急声明的な文章を発表しました。
イリュージョン社にとってアマゾンの取引停止が大きな痛手となるのと同様、デジタル同人サークルにとってはDLsiteやDMMと言った販売委託サイトとの取引が命綱です。
ご存知の方もおられるかもしれませんが、既にDMMは獣姦作品の取引を停止しています。従って、げっべ堂の「セイジレイプ」はDMMだけ特殊版となっています。
またDLsite Englishにおいても、げっべ堂の一部の作品は取り扱いが却下されています。
これは海外の顧客が多いことを踏まえた措置ですが、もし今回の英米の議会の弾圧が日本国内のゲームや同人文化全体を拘束する流れになれば、DLsite本体もレイプ系の作品の取り扱いを停止するかもしれません。
実はアメリカには「レイプ専門サイト」というのが何年も前から存在し、大手もたくさんあります。月会費制のところが大半ですが、ScreamAndCream.ComやPornoCruto.esと言ったサイトは十年近く前から存在する老舗です。
もちろんアメリカの法律上は違法なのでしょうが、こうした裏サイトが跋扈しています。
日本でも、性器の描写が禁止されていますが、裏DVDの取引は膨大で、それらは暴力団と言った闇組織の資金源になっています。
性器の描写をOKにすれば暴力団を肥やすこともないのにあえてそうしているのは、審査機構のような警察の天下り組織を確保するためです。
自由の弾圧者は必ずその見返りを予測しています。これも自由の迫害者に共通する性質です。
野田聖子衆議院議員がアニメと漫画の弾圧を試みたときに、ジュベネイルガイドというNPOの代表を旗振り役に指名しましたが、その人は同時に美少女ゲームメーカーの代表でもありました。
彼らが認めるエロゲームはOKで、認めないエロゲームはNG、となれば、どれだけ莫大な利益になったでしょうか。
しかし、一部の雑誌がそれを暴露したので、彼らの悪しき野望は阻止されました。
このように、表現の自由の弾圧には必ず政治家や警察の利益が色濃く反映されています。
弾圧によって禁止されたコンテンツは裏社会へと遷移し、闇組織と一部の官僚の資金源となります。
全てのゲーム、創造物は全人類のために提供されるのに、表現の自由の弾圧によって、作品は一部の人間の私服を肥やすためだけのものに成り下がります。
本来は基本的人権として、人間は何を作ろうと、何を発表しようと、何を売ろうと自由なはずです。
なのに、なぜこんなことになってしまうのでしょう。
結語
結果的に、これだけ強烈な圧力に耐え切れなくなったイリュージョン社は、自らの公式サイトから「レイプレイ」の記述を完全に削除し、サポートも一切行えなくなりました。また、今後同様のソフトのみならず、あらゆる商品の販売に支障をきたすことになるでしょう。
そうなれば、英国議会と圧力団体にとって、今回の介入は大成功に終わったと言えます。
彼らはその成功体験をもとに、どんどん日本の生産物と企業活動を監視し続け、容易に干渉し、中止させることができるようになるでしょう。
3Dソフトの開発には莫大な投資が必要です。しかし、販売の段に至って、外国の議会と団体の許諾が必要となれば、もはや現実的なビジネスとはなりえなくなります。
もし圧力が同人にも及べば、わるきゅ〜れやStudioS、クリムゾンといった多くのプレイヤーに愛されているソフトメーカーも姿を消すでしょうし、げっべ堂ももちろんそうです。
美少女ゲームを愛する全ての皆さんへ。
今回の悲しい敗北を永遠に忘れないで下さい。そして、第二、第三の攻撃が来たときは、攻撃に晒された日本のメーカー、サークルを一緒に守ってください。
表現の自由はかくも簡単に崩壊するのです。将来、全ての日本のゲームが世界の市場から消え去ることも、ありえないことではないのです。
そして、全ての18禁ゲームが姿を消す日が来るかもしれません。
そうならないためにも、今回の悲劇を忘れないで、そしてイリュージョン社や松文館と言った圧力に晒された企業を応援してください。
げっべ堂からの、心からのお願いです。
ゲッベ