セキレイプ プロローグ

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(製品版と若干表記が違う場合があります)

 

「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう。」

 呪詛を何度言っても言い足りない。言い尽くせない。

 この苛立ちをどうやって消したらいいのだろう。

 俺は一人の『アシカビ』として、一人の『セキレイ』を持っていた。

 セキレイとは力を持った女闘士のこと。そしてアシカビはその主人。

 セキレイはアシカビの命令には何でも従う。

 俺のセキレイ八嶋も、よく働く忠実な、可愛い女闘士だった。

 時には叩いたり、無理して闘わせたこともあったが、俺はあいつを必要としていたのだ。

 しかし・・・。

 突如俺の目の前に現れた女アシカビとそいつのセキレイが、俺から全てを奪ってしまった・・・。

 闘いに敗れたセキレイはアシカビの元を離れなければならないからだ。

御中「悔しいかい?」

谷川「うわっ! なんだいきなり!」

御中「悔しいのかい? どうなんだい?」

谷川「・・・。悔しいさ・・・。

 あんただって、女に力ずくで負けた上に、自分の女を失ったら、悲しいだろ。」

御中「その仮定が私に当てはまる時がいつか来るのだろうか。

 その点だけは疑問だが、まあ君の気持ちはなんとなく分かるよ。

 でも、君の悔しさを一番よく知ってるのは君だからねえ。

 悔しいかい? どうなんだい?」

谷川「しつこいな! 悔しいって言ってるだろ!」

御中「でも、もう君はどうしようもないね。腕力は弱いし、セキレイはもういないし。」

谷川「・・・。

 俺をなじるために、わざわざ本社から来たのかい?

 世界企業MBIの社長にして、全セキレイを統括するゲームマスター御中さんよ。」

御中「・・・。

 ふふっ。

 ふふふのふっ。

 そうじゃない。

 惨めな敗残者で臆病で無能で

何の取り得もなく、女に裸にされた挙句急所を蹴られ

唯一言うことを聞いてくれた自分のセキレイまでも失った君に

『チャンス』を与えてあげたくてね!」

谷川「ひどい言い草だ・・・。

 しかし、『チャンス』って何だい?」

御中「もう一度、君にセキレイを与えてあげようか?」

谷川「!!

 本当か! 本当か! 八嶋が帰ってくるのか!?

 はやく! 八嶋を返してくれ!」

御中「・・・。それはできない・・・。一度機能停止したセキレイは、もうどうやっても二度とセキレイには戻れない。

 それはセキレイの本来備わっている性質だ。私が決めたことじゃないし、私にもどうしようもない。」

谷川「じゃあ・・・どうだって言うんだ・・・。

 『羽化』してない・・・、すなわちアシカビについてないセキレイは、もう帝都にはいないんだろ?

御中「よく知ってるね。そして、もし羽化してないセキレイがいたとしても、君にはもう関係のない話だよ。」

谷川「えっ?」

御中「自分のアシカビとしての能力のなさは自分が一番よく知ってるはずだ。

 八嶋はそれほど弱いセキレイでもなかった。でも、君が彼女を羽化させたせいで・・・。」

谷川「・・・。

 結局何だって言うんだ。俺をからかって楽しんでいるのか?」

御中「能力のない、グズでダメ男な君にセキレイを与えても、また返り討ちに遭うのが関の山だ。

 今度こそ、君の息子は使い物にならなくなっちゃうかもね!」

谷川「あざけりならもうよしてくれ。俺は帝都を去る。前々から決めてたことだ。

 八嶋がいたから帝都に留まったんだ。じゃあな。」

御中「でも、そんな無能な君でも、セキレイを何人も従える有能なアシカビになることができる・・・。」

谷川「えっ?」

御中「今度こそ、君の思い通りにセキレイを使うことができるよ。

 八嶋には遠慮してたことも、何でも命令できるよ。君の『男性』を満たすことだってできるさ!」

谷川「どうやって?」

御中「君のセキレイを倒し、あまつさえ股間を蹴った女アシカビ佐橋ユカリ。

 その兄、佐橋皆人は強力で美しいセキレイを何人も従えている。

 金髪でボディコンなセキレイもいれば、巨乳で巫女風のセキレイもいる。

 彼女らを自由にできるようになれば、君の気持ちも晴れるんじゃないかな?」

谷川「人のセキレイを奪うのか? 一度羽化したセキレイを奪うことなんてできるのか?」

御中「それはできない。それもセキレイの本質だ。私がどうこうできる話じゃない。

 私はセキレイの全てを支配しているが、セキレイ個々の性質については何の力も持ってないのだ。」

谷川「あんたの話はまどろっこしいな! 一体俺にどうしろと言いたいんだ!?」

御中「セキレイはどうすることもできないが、アシカビはできる。アシカビはただの人間だからね。」

谷川「?」

御中「鈍いね。だから、君がなるのさ。佐橋皆人に。」

谷川「!!?」

御中「佐橋皆人は本部に今監禁されている。理由があってそうしたんだ。

 でも、彼のセキレイたちが心配するとまずいんだ。

 MBIの科学力は世界一だ。男を女にすることだって朝飯前だ。」

谷川「!」

御中「まして、君と佐橋皆人は性別も同じで年も背格好も近い。一時間かからないよ、うん。」

谷川「!・・・。」

御中「君のしたいことを・・・今度こそできるよ・・・。

 セキレイ八嶋には遠慮したんだろうけど・・・。今度は君自身じゃないのだから・・・。

 一ヶ月経ったら戻してあげるよ・・・。

 どうだい? 悪い話じゃないだろう・・・?」

 断る理由のない俺は、そのまま御中と一緒にMBI本社へと向かった。

出雲荘

美哉「あら! 皆人(みなと)さん、おかえりなさい!」(pr01)

谷川「あっ、ああ・・・。」

美哉「どうしたの!? 皆人さんが突然!いなくなったから、みんな大慌てよ! 結ちゃんも、月海ちゃんも。」(pr02)

谷川「ああ・・・。うん・・・。すぐ安心させるよ。」

 どうやら全然バレてないらしい。皆人とやらの声は分からないが、声も似せられたのだろうか。

谷川「あの・・・、僕頭を打って・・・。記憶があやふやなんだけど・・・。」

美哉「何ですって! 病院に入院しないといけない!?」(pr03)

谷川「いや・・・。そこまでする必要はないんだけど・・・。

 ところで僕の部屋って、どこだっけ・・・。」

結「皆人さん、おかえりなさい!」(pr01)

月海「汝(なれ)、今までどこをほっつき歩いておったのだ! どれだけ吾が心配したのか分からんのか!」(pr01)

 あ・・・。う・・・。すごいプレッシャーだ。

結「皆人さん、疲れてるんですわ。すぐ休ませてあげましょう。」(pr02)

月海「うむ、そうだな。その前に風呂にでも入れるか。」(pr02)

結「それがいいですわ。お風呂に入りましょう、皆人さん。」(pr03)

 あ・・・。う・・・。

 八嶋とはえらい違い、勢いと迫力がある・・・。

 俺はこいつらに命令するなんてできるだろうか。

結「で・・・、皆人さんはこの数日間、どこで何をしてたんです?」(pr04)

 う・・・。ここが正念場だ・・・。上手く説明しないと・・・。

谷川「・・・実は・・・。」

月海「どこかで新しい妾を探しておったのではあるまいな!」(pr03)

 妾って・・・。すごいなぁ・・・。

谷川「いや、そうじゃなくて・・・。

 ・・・。

 実は・・・。もうみんなとお別れしないといけないかもしれない事態に巻き込まれて・・・。」

結「えええぇーーーっ!!」(pr05)月海「えええええーーーーっっ!!」(pr04)

結「それって、どういうことなんです? 私、皆人さんと離れたくないです。」(pr06)

月海「妻と簡単に別れるなんて、汝(なれ)、一体どういうつもりなのだ!」(pr05)

 ここが正念場だ・・・。演技力で押し通すぞ・・・。

谷川「いや・・・。実は・・・。御中に呼び出されて、MBIの本部に行っていたんだ・・・。」

月海「なんだって! 汝(なれ)一人でか!」(pr06)

 うう・・・。作り話は緊張するな・・・。

谷川「ああ・・・。そう指示されたから・・・。

 で、一ヵ月後に開始する『第参段階』について、説明を受けたんだ。」

結「第参段階!?」(pr07)月海「第参段階!?」(pr07)

谷川「ああ、第参段階。そこでは、今まで帝都を分割していた諸勢力が一斉に集まって、

いよいよ一位決定戦的なことをやるようなんだ。」

結「本格的になってきましたね。腕がなります。」(pr08)

月海「で、何が問題なのだ?」(pr08)

谷川「・・・。

 で、一ヵ月後までにお金を集めないといけないんだ。第参段階に進むまでに。」

月海「それはまことか!?」(pr09)

 ギクリ。

 いかんいかん。ここで動揺しては。

谷川「うん。真の覇者となるような人物は、お金も持ってないといけないということで。

 一千万、用意するように、と。

 用意できない場合は、アシカビの資格も奪われ、セキレイ達とは離れ離れにされるんだって・・・。」

月海「なんという・・・。」(pr10)

結「はじめてのことですね。お金を出せだなんて。(pr09)

 でもどうしましょう・・・。私達、家賃を払うお金さえないのに・・・。」(pr10)

 ついにかなう。

 俺の復讐が。

 俺から愛しのセキレイを奪い、俺に屈辱を味合わせたあの佐橋の兄に、

俺と同じ辛さを食らわせてやる。

谷川「僕もそう言ったら、御中社長はこう言ってた。

 ナンバーワンのセキレイは力だけで決まるものではない。

 人を虜にする魅力と技こそが重要だと。

 女のセキレイであれば、男を虜にするような。」

月海「どういうことなのだ?」(pr11)

谷川「・・・要するに・・・。

 僕のような財力のないアシカビは、セキレイの力で一ヶ月で百万稼げってこと。

 それもすなわち、女の魅力を売り物にして・・・。」

結「?

 何をすればいいんです?」(pr11)

谷川「だから!・・・身体を売って!・・・、お客を取って!・・・お金を貯めて欲しいんだ!

 それができなければもうみんなとはお別れなんだ!」

結「!!」/月海「!!」

谷川「これが御中社長から聞いたことの全てさ・・・。

 僕にはもうどうすることもできない・・・。」

美哉「・・・。」

 こいつらが皆人の言うことに逆らうはずがない。

 徹底的に、徹底的にこいつらをシゴいて!

 身体を使い回して! 復讐と金儲けの両方を一挙に成し遂げてやるぞ!

 

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