セイジレイプシナリオ紹介

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プロローグ

 

(製品版と若干表記が違う場合があります)

 どうしよう。

 とうとう金庫のゴールドも底を尽きた。

 人からは後ろ指を刺されないように、一生懸命真面目に生きてきたつもりだ。

 しかし、常夜の魔王が勇者ロトを名乗る一行に倒されて以来、うちのような武器商家は不況、没落の一途。

 当たり前だ。魔王が倒され、この世のモンスターからは全て邪心が抜けてしまった。魔界に帰ったものもいれば、人間と共生しているやからもいる。誰が武器を持って退治しようと思うだろうか。

 だが、うちの武器屋は歴史ある名家。私の代でつぶすわけにはいかない。

 金さえ・・・、金さえあれば・・・。

 ドンドンドンドン!

 目前が暗くなり、頭を抱えてうずくまっていると、戸を叩く声がする。

 どうせ客ではない。そのままうずくまっていると、案の定そいつらは家の中に勝手に入ってきた。

「ご主人よう、何こんなところで遊んでるわけぇ?金の工面はできたのかよぉ!」

「待ってくれ。知ってのとおり、魔王が死んで以来、武器業界は大不況なんだ。でも、レプリカの斧やロトグッズ、希少動物の牙を加工したものなんかはちょっとずつ売れ出して・・・」

 ドン!

 今日はいつもの取立て屋だけじゃない。雰囲気が違う。

 そう思った矢先、眼の中に一人だけとりわけ大きい男が写った。

 こいつらの親玉か! その男はいきなり私の胸ぐらをつかみ、足がつかなくなるぐらいまで高く吊り上げた。

「ヒィッ」

 つい情けない声を出してしまった。しかし、この巨人の名前は知っている。闇の世界では有名だ。

 何でもあの勇者ロトと、一度ならず二度も剣を交えたことがあるという。

 その勝敗についてはこいつらは語りたがらないが、勇者ロトに勝っていればこんな金貸しなどやっていないだろう。

 世界中の大陸のみならず、常夜の地底世界にまで名を轟かす、大盗賊カンダタ。

 この眼で見るのは初めてだった。地底世界にいると思ったら、地上に来たのか。

「かつては各国の軍隊に武器を輸出していた死の大商人も落ちぶれたものだな。」

 地響きのなるような声でカンダタが言う。

 私もかつては大商人、大富豪として、各国の王族と肩を並べたものだった。

 その私が、今やこんな盗賊連中に絡まれるようになってしまった。

 私は殺されるのだろうか。かつての大富豪を殺すために頭領カンダタが来たのは、こいつらのせめてもの仁義、礼儀なのだろうか。

「待ってくれ・・・。」

 そんな後ろ向きな妄想とは裏腹に、生き延びることに対する執着が口をついた。

「実はすごい大きなビジネスチャンスがあるんだ・・・。」

 のどをしめつけられながら、声を押し出すように喋る。

 カンダタは大きな眼でじっと私を凝視している。

「常夜の大魔王が成敗され、この世は平和になった。

 しかし、平和すぎて、人類は新たな刺激を渇望するようになってきた。

 そこで、最近急激に流行してきたのが、格闘カジノだ。」

 まさに釈迦に説法だ。こいつらはギャンブル利権を主たる収入源として生きている。

「でも、昔のようにモンスターは獰猛でなくなった・・・。

 だから、最近、ロマリアやメルキドのような大カジノでは、人間を使うようになった・・・。」

 これもこいつらにとっては周知の事実だが、実際には地下世界の話である。

 もしそんなことが公に知れたら、そのカジノは摘発されつぶされるだろう。

 しかし、確かにそこでは人間を使った格闘カジノをやっている。

 最初は筋骨隆々たる男戦士同士がお互いに斬り合い、殺しあう残虐ショーを富豪達は楽しんでいた。

 しかし、次第に、その対象に女も含まれるようになってきた。はかない女が殺される悲劇とおぞましさに、貴族達は時を忘れて熱狂した。

 やがて、その女闘士も、奴隷出身の戦士から、名門出身の没落貴族やエリートがメインマッチとして出てくるようになってきた。

 血筋のいい見目麗しい女が醜く殺しあう様が、今地下の権力者達には一番好まれているという。

 最近では、ついに、悟りを開闢し、全世界の知識を一身に修めた女賢者のマッチが、最高のゲームだとされるようにまでなった。

 私も昔はそうだったので何となく分かるが、金と権力を手に入れてしまった人間の、娯楽に対する飽くなき欲求は、人が死んでもかまわないとまで思うほど強い。その意味で、乞食の食欲よりはるかに強い。

「そいつら格闘場の人間は武器を使う。日々カジノの規模は大きくなってきて、世界各地に派生して行っている。

 しかし、今や武器商人は急激に減ってきている。だからこそ、俺が儲けるチャンスなんだ!」

 私の熱弁を最後までおとなしく聞いていたカンダタは、しかし親が諭すように私にすごんできた。

「でぇっ! オラから借りた一億ゴールドはいつ帰ってくるんだぁっ!」

「かつての俺の商人仲間が今メルキドでカジノを仕切っている。地底世界の各都市にカジノができる予定らしい。その全てのカジノの格闘奴隷の武器を、うちが卸すんだ。

 鉄の斧一本5000ゴールド。一日5ゲームだとしても、4人制で20本いる。10万ゴールド。十都市で100万ゴールド。

 やつら命がけだ。斧なんて3日で柄が折れ刃も欠ける。一ヶ月で1000万ゴールドだ。

 俺が最後につかんだチャンスなんだ! 俺も俺の代でうちの看板を砕きたくないんだ。」

 カンダタは俺の眼を見入っている。ろくな教育もうけていないだろうが金勘定は上手そうだ。俺の話も通じているだろうか・・・。

「オラたち盗賊には看板はねぇ。俺と俺の子分達は他の盗賊団にいたが、ある日お頭の寝込みを俺が襲って、側近も皆殺しにして、金を奪って逃げた。それに着いてきたのがこいつらだ。

 だから、お前の言ってる看板の意味が良く分かんねぇ。

 でも確かなのは、お前は借りた金を返さなくちゃいけねぇし、それができねぇならお詫びに死ななくちゃいけねぇ。

 そうじゃないと、これから誰もお金を返さなくなる。」

 地獄の悪魔のように低く響く声でカンダタは吠える。

 私は最後の希望をかけて懇願した。

「なぁ、頼む!俺を殺しても一ゴールドにもならんが、生かしておいてくれれば1年後に1億でも2億でも返してやる。

 なんだったら、表向きは死んだことにしてもいい。お前、ここで俺を殺したら、1億損するんだぞ!」

 金を返せないくせに猛々しいと思ったが、最後の望みをかけた。

 子分の一人がカンダタにささやく。

0010-2.jpg (36094 バイト)「こいつの話は本当のようで、メルキドのカジノは今拡張工事中です。各地の奴隷だけじゃなくて、没落貴族の令嬢とかも集められているようです。

 実際うちは火の車です。1億入るならば・・・。」

 カンダタは考え込んでいる。

 地底世界を常夜に包んだ大魔王。それを成敗した勇者ロト。その勇者と二度も剣を交え生き延びた男だ。

 嗅覚やセンスは常人からはかけ離れているはずだ。

 カンダタに認められなければ、私も所詮ダメなのだろう。大人しく死ぬべきかもしれない。

「あい、わがっだ!」

 突然カンダタが言った。

「だが、1年も待てない。

 知ってるかぁ? オラのライバル勇者ロトは、16歳の時にアリアハンの田舎から出発して、その年に常夜の大魔王を殺して帰ってきた。1年経ってない。

 俺達がシャンパーニにアジトを構えでいた時、急にロトに不意打ちされだぁ。何も悪いことをしていないのに、アジトは壊滅させられだ。

 そこからバハラタに行っで新しいアジトを作っだぁ。誰も入って来れない迷宮仕立て。これを作るのに1ヶ月かかっでねぇ。

 だのに、お前はたっだ1億ぽっち返すのに1年もいるのがぁ?

 世界中の王族が恐れ惑うオイラ大盗賊カンダタが、貸した金を1年待っただなんて外に知れたら、オラだちはもう仕事ができねぇ。

 1ヶ月だ!

 それ以上は一刻も待てねえっ!」

「しかし、さっきも説明したように、まだ各都市にカジノはできていない。また、そこから毎日武器を卸して、せっせと1億稼ぐんだ。」

「もう一度言うど! 貸した金を返せなければ死ぬじかねぇっ! 死ぬかぁっ? 返すかぁっ?」

「しかし!」

 子分の一人が助け舟を出す。

「だから、ねえ旦那。オラたちは商売のことは分かんねぇスから、1ヶ月で1億つくればいいんスよ。

 商売じゃなくて、そのカジノで。」

 子分が優しく俺の肩を叩く。

 俺の、「命賭け」のギャブラー人生がはじまった。


 プレイヤーはあわれな武器商になって、1ヶ月間全16回の格闘ギャンブルを勝ち抜いて、手持ちの100万ゴールドを1億ゴールドにまで増やしてください。

 あなたの運と度胸を武器に、無事1億ためて、この人生の難局を乗り切ってください!


 

第1夜へ

 

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