セイジレイプシナリオ紹介

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第2夜 「盗賊ルディーノ」

 

(製品版と若干記載が違う場合があります)

 今日もまた、夜が来る。

 昨日、人生はじめてのギャンブルを終えた後、宿屋で部屋をとり、すぐ寝てしまった。

 野宿続きの長旅だった。モンスターにはもう襲われないが、それでも野犬野鳥の類はいる。

 疲れがどっと降り注ぎ、泥のように眠りこけ、目を覚ましたのは次の日の昼過ぎだった。

 私は遅い朝食兼昼食をとり、そのまま夜まですぐことがないので、大通りで勝手に武器を並べ商いをしてみた。

 夕方近くまで粘ったが、全く売れない・・・。

 場所代を払えと絡まれなかっただけでも幸いだったのかもしれない。

 もう世の中は平和になったのだ。一般の人はもうモンスターに脅え武器を買う必要もない。

 これは、なんとしてもカジノで一儲けしないと・・・。私の命は・・・ない・・・。

 陰鬱な気持ちで宿へ戻ろうとすると、後ろから私に声をかけてくる男がいる。

「旦那、旦那。」

 客引きだろうか。無視をして足を進めるが、しつこくついてくる。そして私の名前を呼んだ。

 !?

 何故私の名前を知っているのか。誰も知り合いのいないメルキドで。

 振り返ると、忘れもしない、あの時カンダタが私を始末しようとしたときに間に入った、カンダタの子分の一人だ。

0030.jpg (38181 バイト)「旦那、昨日のゲームはどうでやんした?」

 軽快な口調で話しかけてくる。私と違って命がけで何かをしているわけでもない。気楽なものだ。

 適当に話をあわせ、そそくさと宿屋に戻ろうとすると、なおもそいつはついてきた。

「あっしの名前はルディーノ。生まれたときから天涯孤独で、カンダタの親父に拾ってもらって今の仕事をしてまさぁ。」

 盗人が「仕事」か。

 悪態をつきたくもなったが、そのまま歩を進める。

「旦那ねぇ、なかなか普通にやってちゃ、賭け事ってのは勝てないんでさ。」

 興味を引くようなことを言う。足を止め、もう一度振り返った。

「実は、昨日はまだ最初だから分かんなかったかもしれないでやんすが、取り組みの選手表ってのはその日の夕方ぐらいにもう公表されるんでさ。

 だから、金持達は、もっと確実に儲けようと、色々細工をするんでさぁ。

 八百長をしたり、無理矢理強化したり。

 でも、あれだけ大勢の富豪が一辺に賭ける大勝負、八百長は相当の資産がないと無理でさぁ。そうじゃないとカジノの方もあがったりなんで。

 だから、みんなせっせと事前に選手に無理矢理怪しげな木の実を食べさせたり、隠し道具を持たせたりしてるんでさぁ。

 そうすると、より試合観戦にも身が入るってもんでぇ。

「それで、その木の実はどうやって手に入れるんだ?」

 ついうっかりと本音で語りかけてしまった。

 この男とは今会ったばかり。そんな男に不正の相談をするなんて。私はなんとうっかり者なのだろう。

「へへへへへ。盗賊には盗賊のネットワークってのがありやんしてねぇ。

 オイラは、親分から旦那の監視を命じられたんスが、同時にそういうブツの仕入れもしに来たんス。」

 黙って聞いてみることにした。

「もし旦那が選手を強化させたいと思っているんなら、オイラに言っておくんなせぇ。

 一粒百万ゴールドでさぁ。

 それを食べたら、みるみる選手は強くなって、3人がかりでも倒せませんぜっ!」

 百万・・・。

 気楽にこのルディーノとか言う盗賊は言ったが、それは昨日の段階での私の全財産だ。

 確かに1億稼ぐためには、それぐらいの投資を何度もしないといけないのかもしれない。

 しかし・・・かつて武器商人として銅の剣を売っていたが、あれでも一本500ゴールドだった。

 百万ゴールド・・・。

 今まで表の世界でせっせと汗を流して働いてきたのが馬鹿馬鹿しく感じられてきた。

 こいつらはそういう金銭感覚の世界で生きているんだ。

「分かった。俺もいざという時は、使える手段を全て使うよ。その時は頼むよ。」

「あい。旦那、がんばっておくんなせぇ。1億手にはいんないと、うちだってキツいんでさぁ。」

 話しながら、ルディーノと一緒に宿屋へ帰った。

 そして、また、あの非合法カジノへ行くのだ。

 

コマンド


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第3夜へ

 

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