『トラブルレイプ１』 シナリオ紹介
シーン１ 「追われる」
こんなに遅くなってしまった。
進級に伴うクラス替えで、私の学校生活は一変してしまった。
１年生の時はよかった。私はクラス委員として、クラスの秩序と安定のため、一生懸命がんばっていた。でも２年になり、かつての１Ａの問題児達が同じクラスになり、私の平穏な学生生活は乱れてしまった。
下駄箱でいきなり裸になる男の子。
人前でも平気で裸同然に露出する女の子。
それを見てもあまり咎めないかつてのクラス委員。
元クラス委員としてそれら非常識な行動を許せない。ここ最近は、宇宙人を自称する女の子を中心とした元１Ａ軍団が、制服を勝手に変えたり暴れて教室を破壊したりするので、クラスの風紀を守るため、今日も遅くまで学校に残らなければならなかった。そして、すっかり遅くなった帰路を、一人で歩いていた。
すると後ろから足音が追ってくるのを感じた。
この辺は遅くなるとすごく物騒だ。だから私は１年生の頃はなるべく遅くならないようにしていたのだ。
２年になっても、これほどまで遅くなったのは初めてだったので、なんとない不安と違和感をずっと抱いていた。
･･･。
私はなんだか怖くなって半ば競歩から小走りになるような感じで足を進めた。
すると、後ろから来る足音もペースを上げて追ってきた！
私は目の前が眩むような恐怖に襲われ、いつもの帰り道ではなく、公園に逃げ込んだ。
少し遠回りになるけれど、広い公園の方が、なんとなく逃げられそうな気がしたからだった。
私は運動の苦手だから、いざとなったら走って逃げるということにも自信がなかった。
夜の公園はひっそりと、果てしない静寂に包まれていた。
昼の賑やかな公園しか知らない私は、この時間の公園がもつ特有の暗さと寂しさを始めて知った。そして、逃げるためにここに来たのは逆効果であったような思いがしてきた。
ここの公園はとても広く、街灯が灯さない樹林が広がる地帯もあり、そこの暗さはいざとなったら大声を出して助けを呼べる住宅地よりも危険な気がしたからだ。
少し悲しくなって泣きたくなってきたが、気を強く持って、早く家に帰りたい一心で足を進めた。後ろの足音が私の思い過ごしであってほしいと心から願った。
ついてきた！
うっすらとした不安は今や確信に変わり、氷のように冷たい恐怖が、私の背中から全身を突き抜けた。
逃げなければ！とにかく遠くへ！
本能的にそう察した私は、恐怖に足が固まる中必死に歩を進め、徐々に走るようになるまで速度を上げていった。
案の定、後ろの足跡も速度を上げて追ってきたが、走るというほどでもない。
もともとあまり詳しくない公園である。急げば急ぐほど自分の知らない場所へ歩が進んでいる気がしてきた。
どうしようもなく怖くなった私は、ただただひたすら追っ手から逃げ、隠れたい本能からか、暗い闇のほうへ、闇のほうへとひたすら走っていった。
とうとう公園の端、山林への入り口のようなところへ差し掛かったとき、自分は大きな、取り返せないような過ちを犯したことに気がついた。
まわりには最早電灯もなく、人影は皆無。夜の静寂は自分をすっぽりと包み込み、これからどんな災厄が待ち受けているのか、恐れおののく私を赤子のように閉じ込めた。
そして振り返る。
追っ手は若い男達のようだった。見たこともない、知らない青年の集団。５・６人はいる。
時折顔をお互いに見合わせ、笑ったりしている。何かの余興で私を追い掛け回したのか。
彼らのその余裕振りが、尚更私の恐怖心を高めた。
何か御用ですか、と、今更のように声をかけようとした瞬間、男の一人がナイフを取り出した！
！
「大きい声を出したりすると、そのかわいいかわいいお顔に一生取れない傷がついちゃうよ。」
甲高いしゃがれた声を聞き、私は恐怖の絶頂の中にありながら、不思議な冷静さを取り戻していた。
「何の・・・、何の御用ですか？」(001)
頬を伝わる自分の涙を感じながら、彼らと意思疎通をしようと必死に声を絞り出した。
突如私の目の前に姿を現れた彼らは、宇宙人のようにも思えてきた。
男の一人が口を開く。
「なあに、心配しなくていい。あんたはじっと、おとなしくしてればいい。すぐ済むから。」
そういうと、男達は私に一斉に飛びかかり、抵抗する私を木に縛り付けた！
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