セイジレイプシナリオ紹介
第3夜 「賢者エイミー」
(製品版と若干記載が違う場合があります)
今日もまた、夜が来る。
昨日、二度目のゲームが終わった。
カンダタから許されているのは1ヶ月間。ここに来るまでに1週間かかった。ゲームのない日もあるので、せいぜい後14回ぐらいしか賭けはできない。
果たして1億貯まるのだろうか・・・。
陰鬱な気分で、することのない昼の間、メルキドの街をうろうろしていた。
それほど広くはない都市だが、色々な人間がいて飽きることがない。
資産家、遊び人、政治家、商人、錬金術師、盗賊。
いずれもひとくせもふたくせもありそうな悪人ばかりだ。そんなクズがあふれかえっている。
エイミー「キャッ!」(001)
しまった、と思ったときには遅かった。
横を見ながら歩いていたため、前の女の人にぶつかってしまった。
「大丈夫ですか?」
よく見ると、結構美人の女の人だった。
薄着だが、品のある冠をしている。
賢者のいでたちだ。
ここ最近闘技場で闘う闘奴の賢者ばかり見てきたが、本来、賢者は滅多に見かけることのない高級職だ。
いまでこそ需要は減ったが、大魔王時代、モンスターに襲われない人はいなかった時、人々を護り導いたのが賢者だ。
目の前の賢者は、まだうら若い女性だった。
悟りを開くのに男女はない。女性の賢者も多い。
綺麗な長髪と顔立ちに少しうっとりとしてしまった。
エイミー「ごめんなさい。こちらこそ、ボーッとしていまして・・・」(002)
なんとなくこのまま別れるのはもったいなくて、間髪入れずに話しかけた。
「賢者さん・・・なんですか?私はしがない商人をしておりまして、今は遊びでメルキドに来ております。」
少しハチャメチャな自己紹介だったが、まずは必死で話しかけてみた。
エイミー「そうですか。楽しそうでうらやましいですね。(003)
私は仰るとおり、賢者です。修行で悟りを得、ダーマで職階を授かりました。」(004)
「どうしてメルキドへ?」
何しに来ようと勝手な気もしたが、折角だからついでに聞いてしまおう。
エイミー「あ・・・私は・・・あの・・・その・・・。」(005)
何故かひどく言いづらそうだ。
変なことを聞いてしまったのか。それとも・・・
エイミー「お仕事をしなくては・・・。あの・・・いや・・・修行の一環なんです・・・。」(006・声量は調整しますので、普通に聞こえるように読んでください。)
最後の方は聞き取れないぐらい小さくなってしまった。
少し悲しげな顔をしているような気がする。余計なことを聞いてしまったようだ。
まさかとは思うが・・・こんな綺麗な人が・・・。
エイミー「あの・・・それじゃあ、これで・・・。ごめんなさい。」(007)
急いで去ろうとする彼女。
「あの!私の名前は(変数名)と言います。お名前を聞いてもいいでしょうか!」
歩き出していた彼女が振り返った。
エイミー「私はエイミー。エイミーって言います!」(008)
遠ざかりながら彼女が言う。
この混沌としたメルキドで、唯一まともな女性に出会えた気がした。
もう会えないだろうか。
メルキドだけでも何万人といる大都市だ。まして外に出れば、もう出会うことはないのだろうか。
しかしその夜、私は意外な形でエイミーと再会することになった。
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