セイジレイプシナリオ紹介
第8夜 「リリファとメアリ 二人の天才」
(製品版と若干記載が違う場合があります)
今日もまたカジノに来た。
ここに通いつめていると、ゆうに1000人は入りそうな大会場だが、ちらほらよく見る顔を覚えてしまう。
一見さん的に面白半分で来る奴は特に印象に残らないが、何か必死な形相で試合を凝視していたり、もしくは極端に鷹揚としていて、眼がどよんと濁っている奴なんかは、一度見ただけで顔が忘れられなかったりする。
この空間には欲望と執着がうずまいている。
しかし、今日は特にざわついている。人の入りもいつもよりも更に多いが、大物然とした連中がしきりに興奮してはしゃいだりしている。
何だろう。今日は特別なイベントがあるのだろうか。
そんなことを考えていると、突如会場じゅうにアナウンスが響き渡る。
「大変長らくお待たせいたしました。本日は、上下世界を合わせ、最強の女賢者が二人、その技を競いあいます。
一人は、大地を揺るがす大魔力の持ち主にして、不死身の肉体、不動の防御力を持つ・・・
東方の大賢者! リリファ!!」
歓声が起こる。よく見ると舞台の中央で一人の女賢者が手を振っている。
虫けらのように選手が消費されるこの格闘場で、選手が舞台俳優気取りでいるのをはじめてみた。
「もう一人は、地底世界最強の武闘家の娘、稲妻のごとく走り、カマイタチのように切り刻む!
『閃光のメアリ』の異名を持つ、地底の大賢者! メアリ!!」
再び歓声が起こり、舞台上ではもう一人の女賢者が手を振っている。
タイプは違うようだが、二人とも屈指の強さのようだ。
こういうのが一番困る・・・。
倍率が低くても出来レース並に分かりやすい試合のほうが、心理的に落ち着くのに・・・。
他の二人の賢者は、この二人のスターに気を使っているのか小さくなっている。
この世界にもこんな上下関係があるとは・・・。
しかし、これだけ場内が興奮しているのだから、おそらく彼女達は今日はじめてなのだろう。
「大賢者」と言われながらも、普通の賢者らしく生きられなかったのだ。きっと何かある。
スターといっても所詮こんなヤミ世界の話だ。
そう思うと、見つめ合って火花を散らしている二人の「大賢者」が、急にいじらしく見えてきた。
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